熊胆
クマ由来の動物性の生薬。古来より中国で用いられ、日本では飛鳥時代から利用されているとされ、材料は、クマの胆嚢(たんのう)であり、乾燥させて造られる。健胃効果や利胆作用など消化器系全般の薬として用いられる。苦みが強い。漢方薬の原料にもなる。
古来、日本は熊胆を利用しつつもクマの個体数が維持されており、世界的にみても珍しい。
ツキノワグマやヒグマなど全てのクマ科はワシントン条約により規制されており、カナダ・ロシアなどの輸出国による輸出許可書がない限り国際取引は禁止されている。 海外旅行での取得の際には輸出国で所定の手続きを取らねばならないとされている。
近年、日本では狩猟者が減少していることや、乾燥技術の伝承が絶たれていることなどから、熊胆の流通量が減り、取引価格が上昇している。このため、中国などから輸入されている(中国は生産量の一割を消費し、韓国・日本に対する供給国とされる)。
コロナウイルスが猛威を振るう現在、中国政府は医療機関に対して、熊胆を使用してみるよう呼び掛けているらしい。
これに対して、早くも動物愛護団体から「悲劇だ」「心底ガッカリしている」「動物由来のウイルスに対して、さらに動物を痛めつけた薬を使用するとか・・・皮肉だ」等の非難の声も上がっているという。
利用されるツキノワグマは絶滅危惧種のリストに入っている。
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