最悪レベルの大気汚染、胎児への影響懸念 印ニューデリーインドの首都ニューデリー在住のレイチェル・ゴカビさん(26)は出産を間近に控え、ほぼ毎日自宅にこもっている。インドでの流産や乳児死亡が急増している原因だとされる最悪レベルの大気汚染から、おなかの子どもを守るためゴカビさんは必死だ。
ゴカビさんは「バルコニーへ通じるドアはいつも閉めておき、外出もあまりしない。子どもが生まれた時に呼吸器に問題があるのではないかと不安だ」と語った。
「朝の散歩はしない。天気がいい日は午後に外出すること」。出産前教室に参加した妊娠した女性たちは眉間にしわを寄せながら、真剣に講師のアドバイスに耳を傾ける。
デリー首都圏政府の首相は最近、この状態を「ガス室」に例えたほどだ。すぐに解決する見通しもなく、医師のできる助言も限られている。マスクの着用と、できれば自宅に高価な空気洗浄機を置くこととアドバイスしているが、高価なものを買う余裕がない家庭も多い。
世界保健機関(WHO)によれば、世界で最も大気汚染が深刻な15都市のうち14都市がインドにあるという。
ニューデリーは毎年冬になると、自動車の排ガスや工場の排煙と近隣地域の農地での野焼きの煙が混ざり合った有害なスモッグに覆われる。今年6月のインド政府の調査によると、インドでは毎年100万人が大気汚染によって死亡しており、このうち5歳未満の子どもが10万人以上を占めている。
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