「血で書かれた」安全基準 全乗客の命を救ったJALの徹底意識、契機は40年前の惨事
東京の羽田空港で日本航空(JAL)の旅客機と海上保安庁の航空機が衝突した事故は、映像を見る限り、無傷だった人がいたことが奇跡のようにさえ思えた。2日に起きた事故では海上保安庁の航空機に搭乗していた乗員6人のうち5人が死亡した。JALの乗客乗員379人に死者はなかった。事故に関する調査は続けられているが、炎に包まれた旅客機の搭乗者全員が避難できたのは、現代の旅客機の安全基準とJALの徹底した安全意識の組み合わせに尽きると専門家は指摘する。「映像を見て、全員が脱出できたことに驚き、安堵した」。こうした事故に詳しい英クランフィールド大学のグラハム・ブレイスウェイト教授はそう語る。JALをこれほど安全な航空会社へと変えさせた転機は、40年近く前に起きた惨事だった。1985年8月12日、東京発大阪行きのJAL123便が墜落し、搭乗者524人のうち520人が死亡した。この事故の影響はJALに深く浸透しているとブレイスウェイト氏は言う。「日本のような文化の中で、彼らはグループとして責任を負い、二度とこうした事態を引き起こしてはならないと考えた」「問題が起きた時は、何を教訓とすべきかに目を向ける。どんなことでも改善のチャンスとする」今回のような「滑走路侵入」は大惨事を招きかねない。何百人もの生命を救うためには乗員の迅速な対応が不可欠だった。JAL機は滑走路上で停止した数秒後に脱出シュートが展開され、機内に煙が充満する中で、搭乗者が素早く脱出した。現代の航空業界の安全記録は「幸運でなかった人たちの血によって書かれている」とパイロットは話し、全乗員がより良い仕事をできるよう、事故が教訓となって業界全体で共有されていると指摘した。(CNN)
乗客が全員無事で脱出出来たのが奇跡のように思える
教訓から学んでるね