「日本人なのに不法滞在と宣告されました」「あなたは不法滞在の外国人です」。大学教授の50代女性=京都市=はある日、いきなり国からそう宣告された。両親は日本人で、自分も日本で生まれたのにだ。日本のパスポートも発給されず、今も海外に出られない状態が続いている。「時代遅れ」とも言われる国籍法の規定がすべての原因だった。教授は日本人の両親の下、東京都で出生。1999年の米国留学後、カナダ国籍の男性と知り合って結婚した。カナダ国籍を取得したのは2007年。カナダ政府から研究費の助成を受けることなどに必要だったためだ。留学以降ずっと日本を離れ、北米での生活は20年近くに及んだ。祖国に舞い戻ったのは18年10月、親の介護のためだった。国籍法11条1項は「日本国民は、自己の志望によって外国の国籍を取得したときは、日本の国籍を失う」と規定する。重国籍は認められず、教授の場合はカナダ国籍になったのと同時に日本国籍を失っていた。詳細↓