ティラノサウルスが甘がみ? 下あごは高感度センサー 福井県立大福井県立大恐竜学研究所(同県永平寺町)は23日、白亜紀後期(約6800万~6600万年前)に栄えた肉食恐竜「ティラノサウルス」の下あごの化石を、世界で初めてコンピューター断層撮影(CT)で解析した結果、血管や神経管が非常に発達していたことを確認した、と発表した。下あごが人間の手のような「高感度の触覚センサー」として機能し、獲物を食べる際に骨をよけたり、子に「甘がみ」(優しくかむ行為)をしたりしていた可能性があるという。ティラノサウルスはどの恐竜よりも歯やあごの表面につながる血管や神経管が複雑に枝分かれしており、あご先に行くほど細かく発達していた。同じ場所に分布する神経も密度が高かったとみられ、高精度のセンサーのように発達していたと考察した。
グループの河部壮一郎准教授(比較解剖学)は「これまでティラノサウルスは何でもかみ砕いてしまうようなイメージだったが、エサが多い時は栄養のある部分の肉だけを食べていたり、卵のふ化を手伝ったりと繊細な一面もあったかもしれない。今後、新しい研究が進むきっかけにしたい」と話している。
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日: 2021年8月28日
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