入管報告と診察記録に 矛盾 女性死亡問題、深まる疑念
名古屋出入国在留管理局で3月、収容中のスリランカ人女性が死亡した問題で、出入国在留管理庁が経緯をまとめて公表した中間報告に、女性を診断した医師による診察内容が反映されていないことへの疑念が深まっている。
亡くなったのは、ウィシュマ・サンダマリさん(当時33)。面会していた支援団体STARTによると、精神的ストレスで体調不良もあり、食事も歩行もできないほど衰弱していたという。病気などやむを得ない場合に一時的に収容を停止する「仮放免」を昨年12月以降2回申請したが、認められないまま亡くなった。
入管庁が4月に出した中間報告は、亡くなる2日前にウィシュマさんを診断した医師が「仮放免してあげれば良くなることが期待できる」と指摘したことに触れていなかった。入管庁は記載しなかった理由を「名誉とプライバシーの関係から」としたが、同庁を所管する上川陽子法相は「(その理由で書かなかったのは)少し不十分な状況だ」と不備を認めている。
このほか、中間報告には「医師から点滴や入院の指示がなされたこともなかった」とあるが、朝日新聞が関係者から入手した2月上旬の診察記録には、「(薬の)内服ができないのであれば点滴、入院」との記載があった。
ウィシュマさんは2017年に留学生として来日したが、翌18年に学費を払えなくなり学校を退学。その後、在留期間の更新が不許可となり在留資格を失ったまま、滞在を続けていた。詳細↓
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