スペインでまた美術品の「修復」失敗事件が発生。なぜ多発?
スペイン北西部の都市パレンシアのハイストリートにある銀行のファサードを飾っている女性像が、素人の修復家によって修復不可能なほどのダメージを受けた。1923年に初めて公開された同作は、かつて家畜の牧歌的な風景の中で微笑む女性が描かれていたもの。地元の画家アントニオ・グスマン・カペルによるフェイスブックの投稿では、「ポテトヘッド」や「ドナルド・トランプ」「漫画」などという保護活動家や美術愛好家から怒りの声が上がっている。スペインの美術保全協会(ACRE)はツイッターに「プロの修復ではない」と書き込んでおり、パレンシアを拠点とする保存修復家イラノス・アルグドは、「修復は修理ではない。修復は、国際的に承認された基準に従わなければならないし、IPCE(スペイン文化遺産協会)やスペインに存在するほかの認定機関が適用している基準にも従わなければならない」とコメントしている。スペインには現在、専門家以外が芸術作品を修復することを禁止する法律はないという。(Yahoo:美術手帖)