三菱重工の資産売却を申請 徴用工訴訟 日本企業で3社目
いわゆる徴用工や女子勤労挺身隊の訴訟で、韓国最高裁が三菱重工業に賠償を命じた確定判決をめぐり、原告側は23日、すでに差し押さえている韓国内の同社資産の売却を裁判所に申請し、資産の現金化手続きに入った。同様の訴訟での日本企業資産の売却申請は、昨年10月末に判決が出た日本製鉄と、不二越(上告審が継続中)に続き3件目。三菱重工業を相手取った訴訟では昨年11月末、2件の判決が確定し、同社が韓国国内に所有するロゴマークの商標権と特許権がこれまでに差し押さえられた。現金化の対象となるのは、原告4人分の賠償金など総額約8億ウォン(約7300万円)相当で、売却手続き完了まで少なくとも数カ月かかる見通しという。原告側は賠償に向け同社に協議を求めていたが、期限としていた今月15日を過ぎても、回答がなかったためだと主張している。また、日本政府が協議に応じないようにしているとし、日本による対韓輸出管理の厳格化を「不当な制裁措置」と批判した。 一方、ソウルの大統領府前では23日、元徴用工への補償を韓国政府に求める市民集会が行われた。集会の主催者らは、韓国政府が把握しているとされる103万人余りの名簿の公開を要求。1965年の日韓請求権協定に従い韓国政府が日本から受け取った金を「請求権補償金」とみなし、「元徴用工の遺族らに即刻、返還せよ」と訴えた。(産経新聞)