コンゴ人医師らにノーベル平和賞=性暴力の撲滅に努力ノルウェー・ノーベル賞委員会は5日、2018年のノーベル平和賞を、アフリカのコンゴ(旧ザイール)で性暴力の被害者の治療や救済に取り組むデニ・ムクウェゲ医師(63)と、過激派組織「イスラム国」(IS)の暴力告発者でイラクの少数派ヤジディ教徒の人権活動家ナディア・ムラドさん(25)の2人に授与すると発表した。
ムクウェゲ医師は1999年、内戦下のコンゴ東部ブカブで産婦人科治療を目的とした「パンジ病院」を設立。兵士や武装勢力による集団暴行などで負傷した多数の女性や少女を治療し、心のケアや社会復帰などの支援を行っている。同医師らの治療を受けた被害者は開院以来、これまでに5万人を超える。
クウェゲさんは絶えない性暴力について「銃で性器を撃ちぬくというような行為は性行為ではない。女性を破壊する行為でテロリズム」と語った。
コンゴでは1996年に紛争が勃発。97年に反政府勢力が独裁を続けていたモブツ大統領から政権を奪取したが、翌年に新たな反政府勢力が武力闘争を始めた。2002年末に和平合意が成立したが、現在も戦闘が続く。兵士らは住民を支配する手段として日常的に性暴力を繰り返している。
鉱山を資金源とする各武装勢力は組織的に女性に激しい性暴力を加え、被害者だけではなく、鉱山周辺の住民に恐怖を与え、強制移住させているという。ムクウェゲさんは、携帯電話などに使われる希少金属タンタルなど「紛争鉱物」が性暴力被害につながっていると訴えている。
ムラドさんは14年、イラク北部で母親や6人の兄弟をISに殺され、自らは「性×隷」にされた。繰り返し暴行されたり、拷問されたりしたが、IS支配地域を脱出し、ドイツに逃れた。その後、啓発・支援団体「ナディアのイニシアチブ」を立ち上げ、国連などを舞台に女性や少数派の人々らをジェノサイド(集団虐殺)や人身売買から守るための啓発活動を行っている。
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